「謙譲語とは何?」をわかりやすく説明!よく使う言葉の謙譲語一覧も

謙譲語は、社会人ならもちろん使えて当然の敬語。ですが、実際に使う場面になると「あれ?これで合ってるんだっけ?」と不安になることもありますよね。そこで今回は、そんな社会人の常識である謙譲語について、これさえ押さえておけばバッチリという情報だけをまとめて紹介します。
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1:謙譲語とは?わかりやすく説明!

(1)謙譲語とは?

日本の敬語には、謙譲語、尊敬語、丁寧語といった種類がたくさんあり、ちょっと面倒だなって感じている人もいるのではないでしょうか?

その中でも謙譲語とは、自分を低く表現することによって、相手を高める敬語表現のことを言います。

ちなみに、最近では、謙譲語は、「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」に分けるという取り組みがされています。

「謙譲語Ⅰ」は自分をへりくだって言って「向かう先」を高める敬語。それに対して「謙譲語Ⅱ」は、同様の言い方で「相手」を高める敬語です。

例えば、仕事で取引先の会社に出向くときに「御社に伺います」と言う場合の「伺う」は、「向かう先」が高めるのにふさわしい場所なので、謙譲語Ⅰの正しい使い方といえます。

しかし、OG訪問に来た学生と会うために喫茶店に行く場合、「喫茶店に伺います」というのは、学生を高めるのにふさわしくない対象なので、謙譲語の使い方としては正しくありません。

また、「お伺いします」や「ご持参いたします」など、「お」や「ご」といった接頭辞をつける謙譲語は、謙譲語Ⅰに分類されます。

一方、謙譲語Ⅱは、謙譲語を使う相手が「高めるにふさわしいかどうか」ということでなく、会話の中で、語り手が聞き手よりも立場が下の場合に、謙譲語プラス「ます」「です」という丁寧語を使う言い方です。

例えば、上司とOG訪問について会話している際、「〇日に喫茶店で話をして参ります」という場合、OG訪問に来る学生は謙譲語を使う相手ではありませんが、聞き手の社長は立場が上なので、「参る」という謙譲語に「ます」という丁寧語を使います。これが謙譲語Ⅱとなります。

(2)尊敬語と謙譲語の違いは?

では尊敬語はどういう敬語なのでしょうか? 尊敬語は、相手の行動を高めることで、敬意を示す言い方です。

日本語の敬語表現は、相対的な関係性によるもの。自分の行動を下げた言い方で相手を敬うのが謙譲語であり、相手の行動を高める言い方で敬意を表すのが尊敬語と覚えておくといいでしょう。

 

2:謙譲語の使い方例文

百聞は一見に如かず、です。概念的な説明を続けるよりも、実際の使い方例文があったほうがわかりやすいですよね。ここからは謙譲語の例文を紹介します。

(1)いただく

「いただく」は何の謙譲語でしょうか? これは、相手から何かを「もらう」ときに使う謙譲語になります。また、食べ物を「食べる」「飲む」の謙譲語としても使います。

例えば、「本日はお時間を頂きありがとうございます」や「お越しいただき恐縮です」などと使えます。

さらに丁寧に言いたい場合には、「頂戴する」と言うこともできます。

「少々お時間を頂戴できませんでしょうか?」や名刺交換の際に「お名刺頂戴いたします」などと使います。

(2)おります/おる

「おります」や「おる」は、「います/いる」の謙譲語です。

例文としては、「○○時には会社におります」や、「今は○○に住んでおります」などです。

また、最初にお伝えしたように、日本語の敬語は相対的な関係を表すため、社外の人に対しては自分の上司について話すときには、「部長は会議室におります」など、上司の行動を下げるため、謙譲語の「おる」を使います。

(3)伺う

続いては「伺う」の使い方です。「伺う」は相手のいる場所に行くことや、相手を訪ねるという意味の謙譲語です。

例えば、取引先の会社に行く場合には、「〇日は10時に御社に伺います」と伝えましょう。また、行ってもいいかを聞く場合には、「お伺いしてもよろしいでしょうか?」と言うことができます。

また「伺う」には、質問する(聞く)という意味もあります。この場合は、「もう一度お名前をお伺いしてもよろしいですか?」や「ご用件をお伺いいたします」のように使います。

(4)私

敬語を使うべきシーンでの自分の呼び方はどうすれば良いのでしょうか? 基本的には「わたくし(私)」を使えば問題はないでしょう。

ただし「わたくし」というのは、かなり改まった表現なので、通常のビジネスシーンでなら「わたし」で問題ない場合も多いです。

「小生(しょうせい)」という一人称も聞いたことがあるかもしれませんが、これは男性が使う言葉なので、女性が誤って使わないように注意しましょう。

 

3:よく使う言葉の謙譲語

ここからは、普段からよく使う言葉の謙譲語について紹介していきます。

(1)言う

「言う」の謙譲語は「申す」または「申し上げる」です。これは、初めて顔を合わせた相手に対して、「○○会社の○○と申します」など自己紹介をする場面でも使いますよね。

また、自分の身内の人が言ったことを社外の人などに伝える場合には、「弊社の○○が申しましたように、~」などと自分でなくても申すを使う場面はあります。

(2)もらう

「もらう」の謙譲語は、「頂く」や「頂戴する」となります。「使用料を頂く」「お土産を頂く」など、日常でも頻繁に使うのではないでしょうか。

(3)見る

「見る」の謙譲語は「拝見する」や「見せていただく」です。「メールを拝見いたしました」や「資料を見せていただけますか?」は、日常でも使用頻度が高いので、しっかり覚えておきたい表現です。

(4)聞く

「聞く」の謙譲語な、声や話を聞くという意味と、意見を聞くというふたつの意味で異なります。前者の聞くの場合の謙譲語は「拝聴する」で、後者の場合は「伺う」です。

「拝聴する」が仰々しいような感じがするのなら、「お聞きする」を使ってもいいでしょう。

(5)違う

最後は「違う」の謙譲表現についてです。「違う」という言葉自体に謙譲表現はありませんが、「違います」という言い方は丁寧語ではあるものの、言葉の印象が強く、あまりいい印象を与えません。

そのため「いくつかの相違があるようです」というように「相違」という言葉を使ったり、「ご理解いただいているのとは異なる状況となっているようです」「双方で食い違いが生じているようでございます」などという言い方がビジネスでは多く用いられています。

また相手と意見が同じことを伝えたい場合には、「相違ございません」。相手に違いがないかを聞きたい場合には、「相違ありませんでしょうか?」と言います。

 

4:英語の謙譲語って?

謙譲語や尊敬語を覚えようとすると、「日本語って本当にややこしい!」と思うかもしれませんが、日本語以外にも謙譲語はあるのでしょうか。例えば英語には?

英語には日本語のような敬語表現はないと言われていますが、それでも相手に敬意を表する言い方はもちろんあります。

例えば、何かしてもらうのをお願いするときは、「Could you~」(~していただけませんか?)や「I wonder if you~(~していただけないかと思うのですが)など、遠回しな表現で相手への配慮をするフレーズはたくさんあります。

 

5:間違わないように気を付けて

社会人になると、まず立ちはだかるのが敬語の壁かもしれません。メールや電話対応の際に間違った表現を使ってしまわないよう、日ごろから正しい敬語表現を使えているか確認してみてくださいね。