おいとまする…ってどんな意味?「お暇」の意味と使いかた7選

会社で年配の人などが「おいとまします」などと使っていることはあるでしょうか? または親戚の叔母さんなどが家に来たときに、「そろそろおいとましますね」などと言っているのを聞いたことがある人もいるかもしれません。「おいとまする」ってどんな意味なのでしょうか? 正しい例文と間違った使い方を紹介しながら「おいとまする」をマスターしましょう!

1:「おいとまする」ってどんな意味?

(1)「おいとま」とは?「おいとまする」を英語でいうと?

「おいとまする」を辞書で調べてみると、

お‐いとま【▽御▽暇】

[名](スル)

1 訪問先から退出すること。「もうそろそろお暇しようか」

2 奉公先などを離れること。「お暇をいただきます」

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

となっています。

「おいとま」を漢字で書くと、「お(御)暇」となり、これは「帰る」の謙譲語です。語源としては「暇をもらう」→「休みをもらう」から、帰るという意味になったようです。

では「おいとまする」を英語で言うとどうなるのでしょうか? 英語で伝えようとするなら、「そろそろ帰ろうと思います」という感じにすると、訳しやすそうです。

「I think I should be going now.」

「I must say good‐bye now.」

こんな風に伝えることができます。または、「そろそろここを離れるね」という言い方として、“I think I’ll take off now. ”という言い方もできますよ。

(2)「おいとまする」の類語は?敬語で使うときは?

「おいとまをする」の類語にはどういうものがあるのでしょうか? 辞書の1つめの意味は「帰る」ということなので、「失礼する」と言い換えることもできますし、状況によっては「立ち去る」や「退出する」「中座する」も類語になると言えるでしょう。

先述の辞書の

2 奉公先などを離れること。「お暇をいただきます」

というのは、仕事をやめたり、別れたりするという意味にもなります。ですので、こちらの意味の類語としては「別れを告げる」「辞去する」「暇乞いする」などがあります。

「おいとまする」は、そのままでも敬語として使うことができますが、そのほかにも、相手に敬意を払った言い方として「辞去する」「辞する」「下がらせていただく」などがあります。

 

2:「おいとまする」を使った例文

実際に「おいとまする」がどのような場面で使えるのか、例文を挙げながら紹介したいと思います。恋愛シーンでも意外と使える場所は多いですよ!

(1)相手の実家にあいさつに行って…

「おいとまする」はどこか出先から帰るときに使われるのが最も多いです。そして、その相手が目上の人の場面で使われます。恋愛シチュエーションで考えると思いつきやすいのが、彼の実家へお邪魔したシーンです。

彼の両親と楽しくお話をしたり、ときには食事をしたりすることもあるでしょう。でも長居するのも気が引けるし、そろそろ帰りたい……そんなときには、

「名残惜しいですが、長居するのも失礼なので、そろそろおいとまいたします」

と言えると、相手の両親からの評価も高くなることでしょう。

「おいとまする」は「帰る」を遠回しに伝える手段として、とても優れています。「帰ります」と言うと、なんだかキツい感じに聞こえてしまいますが、「おいとまします」なら相手にも失礼になりません。

(2)合コンが長引きすぎて…

合コンでつまらない相手と当たってしまったときにも、「おいとまする」は使えるかもしれません。楽しくもないのに合コンを引き延ばして「もう少し……」などと言われたときには、

「明日早く起きなければいけないので、私、そろそろおいとましますね」

などとさわやかに言って逃げてしまいましょう。

「おいとまする」と「そろそろ帰る」と伝えるのとでは、かなり印象が違うのではないでしょうか? 上品な印象も与えられて一石二鳥かもしれませんよ。

(3)妻から「おいとまします」と言われた

「あなたの考えはわかりました。これ以上話しても仕方がないので、おいとまさせていただきます」

恋人同士でも夫婦でも、喧嘩をするとお互いに相手との心の距離が離れていることを示そうとして、敬語を使うことってありますよね。その最たるものが夫婦の間で交わされる「おいとまする」ではないでしょうか?

「おいとまする」の意味として「別れる」「離別する」「離婚する」というものもあります。夫婦喧嘩がヒートアップした結果、妻に「おいとまします」と言われてしまった夫の姿を思い浮かべると、なんだか切なくなりますね。

「もう別れましょ!」と言ったら、さらにヒートアップしてしまいそうですが、「おいとまします」と言ったら、覚悟のようなものを感じて、沈静化するかも。

(4)いとまを出す

「いとまを出す」という言い方もあります。これは会社の上司や雇い主が、雇われている人をクビにするという意味です。「暇を出す」と漢字でみると、ただ休暇を与えてもらうという意味にも見えますが、この意味で使われることはあまりないようです。

例えば社長が誰かを解雇したとしましょう。ですが、「社長はアイツはクビにした」という言い方は直接的すぎます。そんなときに、「あの人にはいとまを出した」などと使えます。

(5)すぐに「おいとましますので……」

「おいとまする」の使い方で最も標準的とも言えるのがこのパターンです。仕事で誰かの家に上がっていたり、ほかの会社に出向いて行っているとき、または親戚の家に行っているときなどに相手がお菓子やお茶の用意をし始めたら、

「すぐにおいとましますので、お気遣いなさらず」

などと言えるとスマートでしょう。

もちろんこんなふうに断っても、気を遣うのが日本では当たり前になっていますが、それでもこの一言があるとないとでは相手への印象がガラリと変わることでしょう。

(6)仕事を辞めるときに「おいとまを頂戴します」

先ほど社長や雇い主が、人を解雇するときに「いとまを出す」という言い方ができるとお伝えしました。逆に仕事を辞めたいと思ったときにもこの言葉は使えます。

これも「辞めます!」と言うのと「おいとまを頂戴します」と言うのではかなり印象が違いますよね。

(7)「来月おいとまを頂くことになりまして……」

会社を辞めることになったとしても、基本的には1か月くらいは働いて別の人に仕事の引き継ぎをしたりするのが通常でしょう。そして取引のある相手への連絡も必要になってくると思います。

例えば、お世話になった会社へ出向いたときには、

「来月おいとまを頂くことになりまして、ごあいさつに参りました」

などと言うのがいいでしょう。

また、メールなどで相手に仕事を辞めることを伝えるときにも「おいとまを頂くことになりましたので……」などと書くと良いでしょう。

 

3:「おいとまする」の間違った使いかた

「おいとまする」の使い方を、例文を用いてみてきましたが、普段あまり耳にする機会もなく、自分でも使わないとなると、間違った使い方をしてしまうこともあるでしょう。

どんな使い方が間違いなのでしょうか?

(1)メールで使う「おいとまする」

「おいとまする」を仕事を辞めるときなどのあいさつのメールで使う例文を紹介しましたが、普段のメールのやり取りで、「メールを終える」という意味では「おいとまする」は使えません。

「おいとまする」は目の前に相手がいて、タイムラグがないときになら使えます。ですから、メールの最後に「そろそろおいとまします」などと付け加えることはできないので注意しましょう。

(2)「おいとまさせていただく」

「おいとまする」を丁寧な言葉で言おうとすると「おいとまさせていただきます」とつい言ってしまいそうになりますが、これは「させていただく」の部分が二重敬語になるので、日本語としては間違っています。

ほかにも二重敬語として使ってしまいやすいのが、「お伺いになられる」「お帰りになられる」などです。目上の人や上司などにはしっかりとした敬語を使わなければと思うあまり、丁寧な言葉を重ねすぎないように注意が必要ですね。

(3)部長はおいとましました

最初の方でお話ししたように、「おいとまする」は「帰る」の謙譲語です。謙譲語とは自分がへりくだることで、相手に敬意を示す言葉です。

ですので、目上の人に対して「おいとましました」などと使うのは間違いになります。

上司である部長などが帰ることを誰かに伝えたいのであれば、「部長はおいとましました」というのはおかしい言葉になります。「部長は帰られました」や「部長はお帰りになりました」などと使います。

(4)上司と取引先で「そろそろ、おいとましましょうか?」は正しい?

では上司と一緒に取引先の会社などに行っているときに、「そろそろ帰らないと次の予定が……」となった場合はどんな表現をすればいいのでしょうか?

上司が一緒にいるとはいえ、このときに敬語を使わなければいけないのは取引先の会社の方です。ですので、「そろそろ、おいとましましょうか?」などと伝えるのが良いでしょう。

逆に、上司に対して尊敬語を使って「そろそろお帰りになられますか?」などと言ってしまうと、相手へ失礼になってしまうので注意しましょう。

 

4:つまりは「帰る」ってこと?

「おいとまする」のさまざまな表現を正しい例文を使ってみてきました。また間違った使い方の例も紹介しました。「おいとまする」は「帰る」という意味なんでしょ?と聞かれたら、「そうです」としか言えません。

日本語って敬語の中にも、尊敬語・謙譲語・丁寧語などがあって、難しく感じてしまいますよね。ですが、これらの使い分けがしっかりできていると、会社など社会できちんとした人に見られるだけでなく、彼氏の両親などからも高評価を得られる可能性が高くなります。

ぜひこの機会に、「おいとまする」の使い方をマスターしてみてはいかがでしょうか?